革と共に生きる〜レザークラフト〜

レザークラフトの魅力やレザークラフトを通して成長していく様子を書いていきます。

『遠まわり』と『向上心』

前にも話しましたけど、iphone6スマホケースの作成から始まったレザークラフト人生ですが、やっぱまだまだ分からない事もけっこうあるんですよね。

誰かに教えてもらえたら良かったんですが、そうゆう教室や先生を探すには時間とお金もかかるし、こんなに続けられるかなんて分からなかったし…。

 
ちゃんと教えてもらってない分、もしかしたら基本ができてないのかもしれません。
 
もちろん、書籍やインターネット等で常に勉強はしておりますが。
 
基本的な事をするのに教えてもらった人よりは、倍の時間がかかってるかもしれないです。
 
でもそうゆう方法でも良かったのかなぁって最近は思います。
 
だって分かんない事にぶち当たって、その問題を解くために色々模索するのってけっこう楽しいじゃないですか。
 
調べるのが面倒な人は向かないかもしれないですけどね。
 
ちなみに自分は、皮を縫うのに穴も開けて縫う事さえ知らなかったレベルですよ。
 
針で皮を刺しても硬くて縫えないし。
 
バネホック?コンチョボタン?って用語も全然分からなかった…。
 
もし人に教えてもらってたら失敗だって少なかったかもしれません。
 
でも、自分であーだこーだ模索することによって、失敗もいっぱいするし、色々な側面から物事を見ることができるようになるんじゃないかなってポジティブに考えるようにしてます。
 
考え方によっては『一つの答えが二つ』になるかも…。
 
その姿勢は、仕事で部下を教育して育てるのにも出てる気がします。
 
もちろん部下には基本的な事はちゃんと教えますよ。
 
教えずに『やってみ』なんて言ったら、『なんやこの上司』ってなるだけですからね。笑
 
みんな最初は『ド素人』。
 
いっぱい失敗したらいいんですよ。
 
失敗から生み出されることだってきっとあるはず…。
 
重要なのは、『失敗したことから学んで同じ失敗をしないようにすること』
 
そしたら失敗も少しづつ減っていって、分かんない事も一個一個分かるようになっていって…。
 
分かんない事が少しづつ無くなっていって…。
 
失敗した人の気持ちも理解してあげられるようになるよって。
 
知らないうちに『君は仕事ができる人』になってるかもしれないよ。なんてね。笑
 
あともう一つ、『こうやって俺が教えた事だけが正解じゃないからね』って言ってあげます。
 
裏にある気持ちは『自分で考えなよ』って事。
 
『私だったらこうするのに』って一緒に考えさせることで、自分が上司の立場に立った時に二つの選択肢ができるでしょって。
 
今は『自分の引き出しを増やしていきなさい』って事。
 
最終的に自分がいいって思う選択肢を選べばいいんですよ。
 
それが仕事の中で『自分の色』や『個性』になるんだよって。
 
そして、知らないうちに色んな事に対応できるようになってるよって。
 
『あれをやりなさい』って言われた事だけやってるのは面白くないですもんね。
 
話が脱線しましたが、そうゆう意味では自分は『遠回り』を選んでしまってるかもしれません。
 
でも、今からでも『基礎から教えてもらいたい』って気持ちは常にありますけどね。
 
どっちがいいのかな??
 
最善は『教えてもらいながら自分で考えいく』ってのがいいのかな…。
 
自分の環境ではそれができなかった。
 
始まりは自分に合うか分からなかった事だしね。
 
どっちにも共通して大切な事は『向上心』や『探究心』かもしれません。
 
これから何かを始めようと思っている人に、少しでも参考になったらなって思います。

思いと想い

オーダーメイドで作品を作る事が多くなってきて、作品を作る事はやっぱ難しいなっていつも感じさせられます。


型紙があって、以前に作った作品の色違いとかやったら色々試行錯誤しなくていいんですけどね…。

でも、実際はお世話になってた雑貨屋さんからオーダーを頂く時も、『色々要望はあるけど○○さんに任せた方がきっといい物ができるはず』って言われちゃうこともあったりして…。

依頼者の方には会った事もないし、任せてくれちゃっていいのかな?笑って思ったり。

その反面任せてもらえたらめっちゃやる気になったりして…。

そんな少しの情報からその人のニーズに精一杯応えようといつも頑張ってるんですけどね。

やっぱ自分の『こうしたい』っていう思いと、依頼者の方の『こんなんがいいな』っていう想いを合致させることはなかなか難しいですよね?

オーダーメイドで作品を作っている人ならこの気持ちに共感してくれる人もきっといるはず。

前にお世話になっていた雑貨屋さんから、ネックレスのオーダーを頂いた事がありました。

渡されたのは『小さな小瓶』と『中にいれるピンクの葉っぱの形をした物』。

小瓶に詰めて革のネックレスを作ってもらいたいっていう製作依頼でした。

なんと依頼主は小学6年生の女の子だそうです。

分かっている事は、お守りを小瓶に入れてずっと身につけていたいって事しか情報はありません。

今の小学6年生ってどんなんが好きなんやろ?

とか

もう直ぐ中学生で反抗期を迎えちゃうのかな笑

とか

まったく関係のない事まで妄想を膨らませながら作った作品がこちら。
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やっぱり最終的には、大人になってもずっと使える物がいいなって思って作りました。

ベルトの部分も大人になってから身につけられるように、革の指輪になってます。

ちょっとしたサプライズ。

納品した雑貨屋のオーナー様からは『かわいい』って好印象を頂きましたが、果たして依頼主の方は満足してくれたのかなって、考えちゃいますよね。

この作品も私の『思い』と依頼主の『想い』がちゃんと合致したのでしょうか。


人の価値観は人それぞれなんで正解なんてないかもしれないですが、これからも自分が良いと思う事を信じて、納得のいく作品を作り続けていきたいと思っております。

そして依頼主の方の期待をいい意味で裏切っていければいいなっておもいます。

『思い』と『想い』のお話でした。

一期一会

今回はあるきっかけからオーダーを頂いたお話…。

いつも仕事場に商品を納品してくれるおばちゃまがいるんですけど…。

『〇〇さん、いつもうちで取り扱ってる「かきもち屋」さんが廃業しちゃうみたいなの。どこか美味しいかきもち屋さん知らない?』

『へぇ、△△さんとこ「かきもち」も取り扱ってるの?』

『そうなのよ』

『この辺やったら□□さんとこが作ってるから当たってみたら?』

みたいな会話をしてたんですけど、なぜか、〇〇さんもかきもち作って売ればいいのにって話になり…。

『どこの話の流れから俺が「かきもち」を作って売る話になっちゃうの?笑』

 
『なんでそう思ったん?』
 
って聞いてみたら…。

『作るの上手そうやから。』

って真顔で返ってきました。笑
 

えっ見た目…??
 
どんな理由やねんって笑いながら二人で喋ってたんですけど。

ちょっと真面目に

『俺、革小物作ってるからそんな時間ないなぁ』

みたいな事をちらっと話すと

『みんな色々やってるのねぇ、私のガラケーケースも作ってもらいたいな』

っていう流れになっちゃったんです。

『なかなかガラケーのケースって今使ってるのと同じのってないのよねぇ』

って見せられたのが、使い込まれて少しボロボロになってしまったこちら
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こんなん見せられたたら、やっぱ作ってあげたくなっちゃうんですよねぇ。
 
そんなこんなで…。

『ちょっと時間かかるけど、作ってあげるよ』って話が成立したわけです。

そして、オーダーメイドで作ってあげた作品がこちら



後日会った時に『できたよっ』って渡してあげました。

いつも「かきもち」くれたり良くしてくれてるから、『ずっと使ってね』ってプレゼントしてあげました。

そして次の日…。

私がいつも使ってる「手ぬぐい」があるから新しいのあげるって持ってきてくれたんです。
 
家に帰って開けてみたら…。

手ぬぐいに包まれた封筒に3000円が包まれておりましたとさ。

おばちゃま…言ってくれやんとっ!
 
開けやなずっと気づかんかもしれやんし…。

でも…なんかこうゆうのは本当にありがたい。泣
 
この作品はおばちゃまと共にどんな時を刻んで行くのでしょうか…。

そして、いつも納品してくれるポケットの中から自分の作った作品が見えるたびに、『作って良かったなぁ』って心から思います。

この仕事をやってなかったら多分出会うこともなかったおばちゃま。
 
これも一期一会…。

こんな出会いとオーダーメイドの流れもあるんです。

ヌメ革の名刺入れ

今回紹介するのは、オーダーメイドで製作したヌメ革の名刺入れになります。

名刺が約30枚程度入る仕様です。

使用例は
上部に名刺交換をした相手の名刺 5枚程度
メインポケット 20枚程度(ストック)
下部前面ポケット 5枚程度(相手に渡す自分の名刺)

使いやすさも重視した名刺入れになってます。


自分の部下が昇進した時にプレゼントとして送った作品になります。

 

使い込むたびに馴染み、色が変化していくので、作品と同じように一緒に成長していけるように…。

そんな願いを込めてヌメ革特有のエイジングも楽しめるナチュラルな色の一品に仕上げました。




少しづつ作品も紹介していきます。

『皮』と『革』の違い

早速ですが、このブログに訪問していただいた皆様は、『皮』と『革』の違いって説明できますか??

 

正直、私は恥ずかしいですが、ニュアンスで使ってるくらいで本当の意味も分からずに使ってました。笑

 

もしかしたら私以外にそういう人も結構いるんじゃないかなって思ったりして…。笑

 

まず『皮』とは、

「手の皮」や「みかんの皮」など、動植物の外表を覆っている膜。
「餃子の皮」や「饅頭の皮」など、物を覆ったり包んだりしているもの。
「化けの皮」や「欲の皮」など、物事の本質を覆っているものをいうそうです。

 

そして『革』とは

革とは、「牛革の靴」「蛇革の財布」など、動物の皮から毛や脂肪などを取り除き、腐敗や硬化することを防ぐために薬品で処理する「なめし加工」をしたもののこと。

 


「毛皮」はなめし加工してあるが、毛を剥いでいないため、「毛革」と表記しない。

 

という事です。(違いがわかる辞典から引用させていただきました。)

 

要するに簡単に言えば

 

加工をしていない天然のもの→皮

 

なめし加工等の加工をしたもの→革

 

ということですかね。  

 

そうなるとレザークラフトで使用する素材は『皮』と『革』の二種類になりますが…。(主になめし加工等をしたものを使用するので『革』から製作を作ることが多い)

 

皮を加工して作品を作るので       皮小物→×    革小物→○  

 

となりますね。

 

なぜこんな話をしたかというと、レザークラフトを始めて少し経った頃に不思議な感覚を味わいました。

 

私達は『皮』(革)を『革小物』という作品や商品に変えるわけですが、その過程で『皮』が『作品』になる瞬間があるんです。

 

説明しづらいですが、『皮』に気持ちが宿るというか、『作品』に生まれ変わるというか…。

 

それは『革を縫う』作業をしている時にすごく感じます。

 

革を縫う作業は非常に時間を有する作業なんですが、私は革を縫っている作業の時に一番気持ちが入る気がするんです。

 

話すと長くなるのでこれくらいにしておきますが、レザークラフトにとって『縫う』という工程は非常に重要な意味を持つものだと最近強く思います。

 

『縫う』ということは別の機会に話すとして、今回は『皮』と『革』の違いのお話と、革が作品に変わる不思議な瞬間があるというお話でした。

 

※縫わなくても作れる作品もあるので、それはそれでいいんです。笑

 

もし少しでも『へぇ〜』って思ってしまった方は…。

 

ハンドメイドの魅力

最近少しづつオーダーメイドの作品を製作させていただけることになって、すごく感じることがあります。

 

それは、ご依頼者の方々が一人一人違った『こだわり』を持っているという事です。

 

もう少しサイズが小さかったらいいのになぁ…。

 

この形が○○の方が使いやすいのに…とか。

 

革のエイジングを楽しみたいんよねぇ…とか。

 

人と違った変わった物を持ちたいな…とか。

 

ハンドメイトの魅力ってそうゆう『こだわり』とか『願望』とかを少しでも叶えてあげられる所に魅力があるんじゃないかなって思います。

 

機械等で大量生産する物は規格が決まっているのでやっぱり同じようなモノになってしまいますよね。

 

その形が一番売れるってことなんでしょうけど…。笑

 

でも一つ一つ手作りで製作する物は、少しデザインを変えてみたり、大きさを変えてみたり、長さを変えてみたり、製作しながら変えていくことも可能です。

 

物理的に無理な事もありますが、ご依頼者の要望に答える努力をしていく中で、生み出されるデザインや作品だってあります。

 

生み出された作品には、量産品では出せない手作りの暖かさや味が加わっていく。

 

そうやって二度と同じ物は作れない『世界で一つの作品』が生み出されていくのです。

 

○○様モデルの完成ですね。笑

 

私自身もご依頼者のご要望を聞いていくなかで、デザインを考えたり、作品を作っていくことが大変なこともありますが、それもまたハンドメイドの魅力や楽しみだったりもするんですよね。

 

ご依頼者がどんなモノが欲しいのか?

 

どんなモノを求めているのか?

 

どんな『こだわり』を持っているのか?

 

そういった要望を少しでも叶えられるように、ご依頼者のライフスタイルも考えながら、一つ一つ心を込めて作品を製作していけたらと思っています。

 

お客様ご依頼の品『カメラケース』

 

ハンドメイドの魅力のお話でした。

ハンドメイドの血筋

3月に実家に帰った時のことでした。

 

『俺、今仕事しながら革の小物とか作ってるんやけど…。』

 

って話をした時、おかんからビックリする答えが返ってきました。

 

『そうなんや、おかんも昔やってたから分かるよ』

 

『ええっっ!! 昔やったことあるん??』

 

ビックリしている私をよそに、二階の押入れから1つの箱を取り出してきました。

 

『ほら、これおかんが作った作品と道具やわ。今は全然使ってないからあんたにあげるよ』

 

こんな事ってあるんですね…。

 

予想外のお土産付きで、実家に帰った甲斐がありました。

 

うちのおかんは昔から伊勢型紙で入賞したり、ぬいぐるみを作ったり、ハンドメイドで作品を作ることが好きな事は知っていましたが、まさかレザークラフト(革細工)をかじっていたとは知らなかったので、非常に驚きました。

 

 

ちなみにうちのおかんが製作した作品がこちら。

通信教材で革細工と革小物を製作したことがあるとのことでした 。

 

これを見せられてクオリティの高さにビックリしたのは言うまでもありません。

 

ちなみにおかんが製作しているかわいいクマのぬいぐるみ達の写真も少しだけ…。

 

ハンドメイドの血筋というお話でした。