前にも話しましたけど、iphone6のスマホケースの作成から始まったレザークラフト人生ですが、やっぱまだまだ分からない事もけっこうあるんですよね。
誰かに教えてもらえたら良かったんですが、そうゆう教室や先生を探すには時間とお金もかかるし、こんなに続けられるかなんて分からなかったし…。
思いと想い
オーダーメイドで作品を作る事が多くなってきて、作品を作る事はやっぱ難しいなっていつも感じさせられます。
人の価値観は人それぞれなんで正解なんてないかもしれないですが、これからも自分が良いと思う事を信じて、納得のいく作品を作り続けていきたいと思っております。
一期一会
今回はあるきっかけからオーダーを頂いたお話…。
いつも仕事場に商品を納品してくれるおばちゃまがいるんですけど…。
『〇〇さん、いつもうちで取り扱ってる「かきもち屋」さんが廃業しちゃうみたいなの。どこか美味しいかきもち屋さん知らない?』
『へぇ、△△さんとこ「かきもち」も取り扱ってるの?』
『そうなのよ』
『この辺やったら□□さんとこが作ってるから当たってみたら?』
みたいな会話をしてたんですけど、なぜか、〇〇さんもかきもち作って売ればいいのにって話になり…。
『どこの話の流れから俺が「かきもち」を作って売る話になっちゃうの?笑』
『作るの上手そうやから。』
って真顔で返ってきました。笑
えっ見た目…??
ちょっと真面目に
『俺、革小物作ってるからそんな時間ないなぁ』
みたいな事をちらっと話すと
『みんな色々やってるのねぇ、私のガラケーケースも作ってもらいたいな』
っていう流れになっちゃったんです。
『なかなかガラケーのケースって今使ってるのと同じのってないのよねぇ』
って見せられたのが、使い込まれて少しボロボロになってしまったこちら
こんなん見せられたたら、やっぱ作ってあげたくなっちゃうんですよねぇ。
『ちょっと時間かかるけど、作ってあげるよ』って話が成立したわけです。
そして、オーダーメイドで作ってあげた作品がこちら
後日会った時に『できたよっ』って渡してあげました。
いつも「かきもち」くれたり良くしてくれてるから、『ずっと使ってね』ってプレゼントしてあげました。
そして次の日…。
私がいつも使ってる「手ぬぐい」があるから新しいのあげるって持ってきてくれたんです。
手ぬぐいに包まれた封筒に3000円が包まれておりましたとさ。
おばちゃま…言ってくれやんとっ!
でも…なんかこうゆうのは本当にありがたい。泣
そして、いつも納品してくれるポケットの中から自分の作った作品が見えるたびに、『作って良かったなぁ』って心から思います。
この仕事をやってなかったら多分出会うこともなかったおばちゃま。
こんな出会いとオーダーメイドの流れもあるんです。
『皮』と『革』の違い
早速ですが、このブログに訪問していただいた皆様は、『皮』と『革』の違いって説明できますか??
正直、私は恥ずかしいですが、ニュアンスで使ってるくらいで本当の意味も分からずに使ってました。笑
もしかしたら私以外にそういう人も結構いるんじゃないかなって思ったりして…。笑
まず『皮』とは、
「手の皮」や「みかんの皮」など、動植物の外表を覆っている膜。
「餃子の皮」や「饅頭の皮」など、物を覆ったり包んだりしているもの。
「化けの皮」や「欲の皮」など、物事の本質を覆っているものをいうそうです。
そして『革』とは
革とは、「牛革の靴」「蛇革の財布」など、動物の皮から毛や脂肪などを取り除き、腐敗や硬化することを防ぐために薬品で処理する「なめし加工」をしたもののこと。
「毛皮」はなめし加工してあるが、毛を剥いでいないため、「毛革」と表記しない。
という事です。(違いがわかる辞典から引用させていただきました。)
要するに簡単に言えば
加工をしていない天然のもの→皮
なめし加工等の加工をしたもの→革
ということですかね。
そうなるとレザークラフトで使用する素材は『皮』と『革』の二種類になりますが…。(主になめし加工等をしたものを使用するので『革』から製作を作ることが多い)
皮を加工して作品を作るので 皮小物→× 革小物→○
となりますね。
なぜこんな話をしたかというと、レザークラフトを始めて少し経った頃に不思議な感覚を味わいました。
私達は『皮』(革)を『革小物』という作品や商品に変えるわけですが、その過程で『皮』が『作品』になる瞬間があるんです。
説明しづらいですが、『皮』に気持ちが宿るというか、『作品』に生まれ変わるというか…。
それは『革を縫う』作業をしている時にすごく感じます。
革を縫う作業は非常に時間を有する作業なんですが、私は革を縫っている作業の時に一番気持ちが入る気がするんです。
話すと長くなるのでこれくらいにしておきますが、レザークラフトにとって『縫う』という工程は非常に重要な意味を持つものだと最近強く思います。
『縫う』ということは別の機会に話すとして、今回は『皮』と『革』の違いのお話と、革が作品に変わる不思議な瞬間があるというお話でした。
※縫わなくても作れる作品もあるので、それはそれでいいんです。笑
もし少しでも『へぇ〜』って思ってしまった方は…。
ハンドメイドの魅力
最近少しづつオーダーメイドの作品を製作させていただけることになって、すごく感じることがあります。
それは、ご依頼者の方々が一人一人違った『こだわり』を持っているという事です。
もう少しサイズが小さかったらいいのになぁ…。
この形が○○の方が使いやすいのに…とか。
革のエイジングを楽しみたいんよねぇ…とか。
人と違った変わった物を持ちたいな…とか。
ハンドメイトの魅力ってそうゆう『こだわり』とか『願望』とかを少しでも叶えてあげられる所に魅力があるんじゃないかなって思います。
機械等で大量生産する物は規格が決まっているのでやっぱり同じようなモノになってしまいますよね。
その形が一番売れるってことなんでしょうけど…。笑
でも一つ一つ手作りで製作する物は、少しデザインを変えてみたり、大きさを変えてみたり、長さを変えてみたり、製作しながら変えていくことも可能です。
物理的に無理な事もありますが、ご依頼者の要望に答える努力をしていく中で、生み出されるデザインや作品だってあります。
生み出された作品には、量産品では出せない手作りの暖かさや味が加わっていく。
そうやって二度と同じ物は作れない『世界で一つの作品』が生み出されていくのです。
○○様モデルの完成ですね。笑
私自身もご依頼者のご要望を聞いていくなかで、デザインを考えたり、作品を作っていくことが大変なこともありますが、それもまたハンドメイドの魅力や楽しみだったりもするんですよね。
ご依頼者がどんなモノが欲しいのか?
どんなモノを求めているのか?
どんな『こだわり』を持っているのか?
そういった要望を少しでも叶えられるように、ご依頼者のライフスタイルも考えながら、一つ一つ心を込めて作品を製作していけたらと思っています。
お客様ご依頼の品『カメラケース』
ハンドメイドの魅力のお話でした。
ハンドメイドの血筋
3月に実家に帰った時のことでした。
『俺、今仕事しながら革の小物とか作ってるんやけど…。』
って話をした時、おかんからビックリする答えが返ってきました。
『そうなんや、おかんも昔やってたから分かるよ』
『ええっっ!! 昔やったことあるん??』
ビックリしている私をよそに、二階の押入れから1つの箱を取り出してきました。
『ほら、これおかんが作った作品と道具やわ。今は全然使ってないからあんたにあげるよ』
こんな事ってあるんですね…。
予想外のお土産付きで、実家に帰った甲斐がありました。
うちのおかんは昔から伊勢型紙で入賞したり、ぬいぐるみを作ったり、ハンドメイドで作品を作ることが好きな事は知っていましたが、まさかレザークラフト(革細工)をかじっていたとは知らなかったので、非常に驚きました。
ちなみにうちのおかんが製作した作品がこちら。
通信教材で革細工と革小物を製作したことがあるとのことでした 。
これを見せられてクオリティの高さにビックリしたのは言うまでもありません。
ちなみにおかんが製作しているかわいいクマのぬいぐるみ達の写真も少しだけ…。
ハンドメイドの血筋というお話でした。